日本情報クリエイトのCRIX(賃料・空室の指数)によると、2025年10月の首都圏賃貸は空室率の改善が広がる一方、支払い賃料の伸びは物価上昇に追いつかない地域・面積帯が目立ちます。東京23区の消費者物価指数は前年同月比+2.8%に対し、アパートの支払い家賃の年間上昇率は0–20㎡+0.39%、20–30㎡+0.55%、30–50㎡+0.34%、50㎡以上は▲0.47%でした。マンションは0–20㎡+1.79%、20–30㎡+1.82%、30–50㎡+1.99%、50㎡以上+4.55%で、50㎡以上のみ物価上昇率を上回りました。神奈川の川崎市は全面積帯で空室率改善が続くものの、50㎡以上を除き前月比で賃料が下落し、高い家賃の物件が敬遠される可能性が示唆されます。横浜市も空室率は改善基調ながら、前年同月比で一部面積帯がマイナスとなりました。埼玉のさいたま市はマンション0–20㎡を除き空室率が改善し、賃料も概ね前月比上昇、マンションは複数面積帯で物価上昇率を上回りますが、アパート50㎡以上は下落が2年続きます。千葉県西部は空室率改善の一方、アパート全体とマンション0–20㎡で前月比下落、物価並みの伸びはマンション20–30㎡に限られました。総じて需給は引き締まりつつも、家賃の転嫁は面積帯・地域で濃淡があり、今後は築年数や家賃水準の選別が一段と進む可能性があります。
【指標情報】
CRIX(Create Rental housing Index):管理データ(ビッグデータ)から算出した月次の空室率・平均賃料インデックス
公開範囲:全国47都道府県と主要市区町村、間取り別・床面積別など
source: PR TIMES
